| 現在の鏡の製法には『銀引製法』と『真空メッキ製法』があります。順に紹介して行きます。
『銀引製法』はごく一般的な方法で、ガラス面に銀膜を薄く吹き付けていくものです。一度に機械を通ることによって、安定した生産、さらには大量生産ができることが特徴として挙げられます。また、ガラスの種類によって透明のものだけではなく、熱線吸収板ガラスを素板にしたブロンズ色タイプ、グレー色タイプなどもあります。
| ■ | 鏡の製造工程(銀引き製法) | | @ | ガラスの洗浄 | ↓ | 素板ガラスの表面に付着したホコリやゴミを完全に除去する ために、洗剤を使って洗浄します。次にガラス面の銀引きを完全なものにするため、塩化錫で処理し、さらにそれを純水で洗浄します。化成ソーダ硝子のため、弱アルカリのベニガラで表面を洗います。 | | A | 表面活性剤の吹付け | ↓ | 洗浄後の硝子に錫の溶液を掛け硝子表面を活性かする硝子表面に金属膜を付ける。これにより銀膜がつきやすくする。 | | B | 銀の吹付け | ↓ | 硝子に硝酸銀溶液と苛性ソーダ液(水酸化ナトリュゥム)とブドウ糖を掛け化学反応による還元作用で硝子に銀膜を形成する。 純水にて洗浄する。 | | C | 銅の吹付け | ↓ | 銀膜の劣化を防ぐため、銅の溶液を吹き付け銅膜を形成する。 | | D | 塗装 | ↓ | 回転するロールに塗料を塗りつけ、被塗物に塗装する物で、印刷の技術を塗装に応用したロールコーター機と料を上のタンクから、カーテン状に流し被塗物がそのカーテンをくぐるとき、塗料が塗面に乗り、塗装が行われるカーテンコーター塗装法で裏面保護膜塗装を行うことで、銀膜をしっかりと保護します。 | | E | 焼付(乾燥) | ↓ | 連続乾燥炉にて保護膜の焼き付けを行います。 | | F | 表面洗浄 | ↓ | 表面に洗浄剤を吹き付けブラシ洗浄を行います。 | 完 成 | |
『真空メッキ製法』は、真空タンクの中でガラス面に反射金属膜を蒸着(じょうちゃく)させていくものです。金属を一度真空タンク内に移動させるために、手間とコストがかかります。その代わり、粒子の細かい繊細な鏡ができます。高級品となります。
| ■ | 鏡の製造工程(真空メッキ製法) | | @ | ガラスの洗浄 | ↓ | 素板ガラスの表面に付着したホコリやゴミを完全に除去する ため洗剤を使って洗浄します。続いてガラス面の銀引きを完全なものにするため、塩化錫で処理し、さらにそれを純水で洗浄し、次の工程に送ります。 ベニガラにて硝子の表面を洗う (化成ソーダ硝子であるから弱アルカリで表面を洗う) | | A | 真空メッキ | ↓ | 硝子を洗浄するベニガラ/セリュウム研磨材等使用 洗浄後乾燥(付着水分を取る)
真空蒸着メッキ 真空中で物質、蒸着材料(アルミ)を電気分解加熱し発生した蒸気(ガス)を基板上に(硝子)に凝縮・付着させて作る 薄膜作製法。 (基板に対して密着率が高く丈夫)
| | B | 塗装 | ↓ | メッキ面の保護のため蒸着後メッキ面に対して直接塗装
塗装剤 エポキシ変性アミノアリキッド 樹脂塗料 真空蒸着鏡は密着率が高く丈夫であるため有機系の無鉛樹脂塗料で保護膜を形成する。 | | E | 焼付(乾燥) | ↓ | 連続乾燥炉にて保護膜の焼き付け | | F | 表面洗浄 | ↓ | 表面に洗浄剤を吹き付けブラシ洗浄を行う。 | 完 成 | |
出典:画像と記事の一部は有限会社エムアンドジーキタデを参照しました。
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