| 5. 鏡の種類2. アクリル鏡.マジックミラー.高精細鏡.色つき鏡 |
前頁の一般鏡、防湿鏡(洗面・脱衣所向け)、防湿鏡(風呂場向け)の紹介からの続きです。このページでは樹脂鏡、マジックミラー、高精細鏡、色付き鏡の紹介をします。鏡は、5o厚さが標準なのですが、2o、3oの薄い鏡もあります。これを「薄板鏡」と呼びます。手鏡、コンパクトミラーや卓上ミラー等、小物製品用に利用されています。
■ 特徴
樹脂鏡の一つがアクリルミラー(アクリル製のミラー)です。他にもポリカーボネートミラー(略してポリカミラー)の二つがあります。樹脂鏡の最大の特徴はガラスで出来ていないこと、簡単には割れないことです。ガラス使用より軽量である点でも長所です。
従って安全な鏡と言えます。また、移動するものや扉などの可動箇所への取り付けにも適しています。また取り付け施工も簡単です。幼稚園など小さな子供が活発に動き回る場所や剣道やゴルフのスイングを見るような教室など物をもって運動するような場所にも用いられます。
■ 製法
アクリルとポリカの樹脂板の裏にアルミを真空蒸着して鏡面を作ります。一般的なガラスと同じ製法ですが、アルミを保護するために塗料が塗られています。
■ 欠点
@ 板のサイズが大きい場合、写る像が歪む。 材質の特性上、板の反りがあります(夏季は特に反りが大きい傾向)ので、厚さ2〜3mmの板は姿見など広い面積では使用できません。 |
| 5mm厚の板は歪みが若干緩和しますが、無くなる訳ではありませんので、正確には映りません。
A 水が直接当たる場所や高温の場所では使用できない。 アクリルミラーは、屋外など水が直接当たる場所や浴室・サウナなど高温になる場所で使用すると、ミラー部(ミラー塗装面)が腐食して使用できなくなります。
B ガラスに比べ傷に弱い素材。 アクリルミラーはガラスに比べ表面が傷つき易い為、頻繁に触れたりする場所やミラーの上に物を置くような用途には向きません。
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マジック鏡ともいいます。文字通り魔法の鏡であり、片面が鏡でもう一面はガラスの役割を果たしたものです。従ってハーフミラー(半分だけ鏡)とも呼ばれれます。 一般的なガラスは、ガラスの裏面に塗る 不透明な銀幕を塗り、鏡に入った光は全反射します。
マジックミラーはこの銀膜を薄くすることで、光の透過率を持たせたものです。 その為、鏡のように光を反射するだけで なく、光を透過させることが出来ます。 その透過率は8パーセントです。
昼間は電車の窓から外の景色が見えるのに、夜になると鏡のように自分の顔が映ってしまいます。マジックミラーは、その原理を応用したものです。テレビの刑事ドラマなどで、被疑者の取調室を隣接する部屋から見る「のぞき窓」に使われているのが最もポピュラーな例です。このこの場合は、鏡というよりも窓といったほうがよいかもしれません。
暗い部屋からは明るい部屋は見えますが、明るい部屋からは暗い部屋は見えず、鏡のように見えます。利用範囲は以外に多く、接室 動物の観察 万引き防止の防犯 パチンコ店の不正防止観察窓 遊戯場で遊ぶ子供の観察などに用いられています。
■マジックミラーの仕組み
明るい部屋から暗い部屋側にあるマジックミラーをみると鏡に見えます。これは明るい部屋の光の殆どが反射するからです。
もちろん、一部の光は暗い部屋側に透過しますが、その光の割合は一割にも満たないものです。つまり殆どが反射しているので、鏡と同様に見えます。
一方暗い部屋の光も明るい部屋へとマジックミラーを通して透過しますが、もともと暗い部屋の光は弱く、明るい部屋の光で打ち消されてしまいます。 |
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また、暗い部屋の光もマジックミラーに反射しますが、明るい部屋からの光の透過の方が強くこれも打ち消されてしまいます。
従って、暗い部屋からは、明るい部屋が見え、明るい部屋からは暗い部屋は見えない(鏡になってみえる)というわけです。暗い部屋の明るさを上げていくと、明るい部屋からは次第に暗い部屋側が見えるようになります。
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この鏡の特長は一般の鏡に比べて、光の透過率が高く忠実に実像を反映する鏡である点です。普通の鏡は、普通ガラスをもとに作られ、実際の色より少し緑がかって見えます。 (右の図の左側)。
これはガラスの厚み部分の緑色が反映しているからです。 |
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「高精細ミラー」はこの緑色が出ない造りになった高透過ガラスから造られるものです(右上の図の右側)。
このガラスは、博物館や宝石点の展示ケースに使われているものと同じものです。ほかにも、美容室の鏡が最も身近な例です。
透過率が高く、ガラスの色が透明により近い分、反射率が高くなり明るく見えるだけでなく、一般の鏡が映し出せない、日本人の肌の色や唇の赤などをキレイに再現できるのです。演色性とは照明による物体の色の見え方の特性をいいますが、色が自然光で見た場合に近いほど、演色性がよいと言えます。
画像出典:テーブルトップ・COMを参照させていたできました。サイズを加工しています。
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鏡が、普通ガラスや高透過ガラスなどの裏面を塗装をして出来ていることは、これまで述べてきたとおりです。色付き鏡の多くははこれらとは違って、色の付いたガラスを利用した、特殊な用途の鏡です。多くはと書きましたが、他にも、普通ガラスを利用したものもあるからです。これは色の付いたフィルムを普通ガラスとガラスの間に挟み込んだタイプのものものです。
| 両方とも、装飾用の鏡として利用されています。ブティックやショーウインドー、ウェッデングボードなどです。非常に多彩なものが出ています。例えば、ゴールド色など。
色は、グレー、ブラック、ブルー、ブラウン、グリーン、ブロンズなど12色程度のぼります。 左図は色付きガラスを利用したブルーミラーです。縮小サイズの画像にしたため少し濃くなっています。 |
実用というより、オシャレの感覚を生かした製品で実用鏡で、主にディスプレー用です。厚みは他と同様5mm.です。
画像出典:kodama glassを参照させていたできました。サイズを加工しています。
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