| 合板(ごうはん)とは何でしょうか。そしてどのように構成されて合板と呼ばれるようになったのでしょうか。合板と呼ばれる以上、何かを重ね合わせてできているのであろうとは察しがつきますが、詳細はわかりません。そこで、このページでは、合板のできるまでとその歴史を簡単に紹介します。
| まず、原木の年輪に沿うように薄くスライスして板をとりだします。それは左の図上のように大根の皮を長手に平行して剥く「桂剥き(かつらむき)」と同じ要領です。
もちろん、左の図下のようなスライサーという機械で行います。こうして取り出した板を乾燥させ、板を繊維方向を互い違いにして接着剤で貼り重ね、熱圧接着したものを「合板(ごうはん)」といいます。
このスライサーを利用して「突板(つきいた)」も取り出します。突板は木目の美しい希少な銘木(めいぼく)と呼ばれる材木を薄くスライスしたものです。それを台板と呼ばれる、元となる板の上に貼り、高級材ふうの板仕上げとして使用されます。 この「突板(つきいた)」に関しては、「突板」のページをごらんください。
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この薄くスライスした板のことを「単板(たんぱん)」といいます。英語では、この単板のことをベニヤ(Veneer)と呼びます。ベニヤという言葉には「張る、かぶせる、うわべを飾る」という意味が含まれています。また、こうして取りだし単板を幾層にも重ね貼り合わせてできた板を先に書いたとおり「合板」といい、英語ではプライウッド(PLYWOOD)とよばれます。
ところが、日本では一般的に合板をベニヤ板と呼ぶことが多いのは、明治45年に範多商会がロシアから合板を輸入した際にベニア板と呼んだことが広まったためであると言われています。
日本での生産は、1907年(明治40年)、名古屋の浅野吉次郎氏が独自に開発したベニヤレー ス( 丸太をカ ツラムキして単板を製造する機械)の実用化によって始まったとされています。
日本の創成期の合板は、大豆グルー・ミルクカゼイン・膠にかわなどの接着剤 を用いてベ ニ ヤ チ ェ ス ト( 茶 箱 )用や楽 器 用 、家具用などを製造していましたが、耐水性が向上するに従いその用途が拡大されました。
1950 年(昭和25年)頃 、尿素系の接着剤が開発され飛躍的に接着性能が向上した結果、大量生産に道筋がつき、生産量も大きく伸びることとなりました。このように合板は、戦後の製品のように思いがちですが、実はもっと歴史のある建材です。
日本では、1920年頃(大正中期)からラワン材として、大径木・無節材・安価でることなどから原木が東南アジアから輸入されるようになってきました。しかし現在では、熱帯雨林保護のため原木樹種の転換を図っています。 2013年では、合板生産の72%が国産材の使用で賄われています。
| | | 普通合板
| コンクリート型枠合板 (表面塗装されたもの) | 構造用合板
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桂剥きの画像出典:日経レストラン オンライン スライサーの画像出典:恩加島木材工業 合板の図出典:加工木材辞典
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