| 前ページの「フローリングの種類」では、フローリングを構成する要素の種類につ いて述べてきました。ここでは、そうして作られたフローリングの見た目の張り方(張 り形状)について、代表的ないくつかを紹介します。
@ 市松模様 | 市松模様は碁盤目状の格子の目を色違いに並べた模様のことです。江戸中期、歌舞伎俳優佐野川市松がこの模様の袴(はかま)を用いたことに始まるとされています。
1枚あたり300o角の中にデザインパターンが完成されていて、意匠性の高い床を効率よく施工することができます。 |
| 厚さは8-10o。正方形一つをフローリングブロックまたはフロアリングブロックと呼んでいます。
フローリングブロック(フロアリングブロック)は、モザイクパーケットフローリングの一つです。モザイクは木などの小片を寄せて作る絵または模様のことで、パーケットとは寄木細工の意味です。モザイクパーケットフローリングは木の小片を集めて作ったフローリングということになります。
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A 乱尺張り | フローリング材の長さが一定ではなく、一般的には、300mm以上のさまざまな長さのフローリング材の四方に本実(ほんざね)加工を施したものです。
木口のつなぎ目が一枚ごとに明瞭なため、一枚一枚がより独立した形で木の印象を表現します。
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| そのため、仮並べにより、色合いや木柄のバランスを調整したり、木口のつなぎ目が隣の板と重ならないような施工上の工夫をすることで、床面の雰囲気がいっそう引き立ちます。最も多く使われています。
上の図では、少しわかりづらいのですが、板の継ぎ目が一定になっていないことがうかがえます。これが乱尺張りの特徴となります。目の揃えの必要がなく、製品と素材の利用度が向上します。
ソリッドユニタイプがこれによく似ていますが、ソリッドユニタイプは製造工程の段階でさまざまな長さの板を木柄や色合いなど素材の特徴が均一になるように数枚を1820mmなど一定の長さにつなぎあわせたものです。
張り上がりは一見乱尺とよく似ていますが、製造工程でつなぎあわせた接合部が、乱尺フローリングと比べて平面的で無垢木材の素朴さを欠くという点は否めません。施工の手間が軽減されるだけでなく、施工者による張り上がりのバラつきが少ないのが特徴です。
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B りゃんこ張り(馬乗り目地張り) | タイルの馬乗り目地貼りのように板を半 分ずらした張り方です。同じ寸法のものを 一定にずらして張る方法を「りゃんこ張り」 または「ずらし張り」といいます。
中でも、長さの半分の寸法ずつずらす方 法を「レンガ張り」と呼ぶこともあります。「3 尺ずらし」、「1尺ずらし」など、ずらす寸法に よって並べ方も変わりますが、木口のつな ぎ目を直線上に合わせることで整然とした 印象を与えます。 |
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C ヘリボーン張り | ヘリボーン(矢筈模様)は織物の織り方の一つで、ニシンの骨を並べたような形や杉の葉に似ていることからこの名で呼ばれています。寄木張りの一種です。
ヴェルサイユ宮殿にも採用されているフローリングの張り方のデザインのひとつでクラシカルな印象をあたえるますが、1周回ってモダンでおしゃれな印象も与える。 |
| 日本でも明治・大正時代に建てられた洋館にも多く採用されいます。なお、矢筈(やはず)とは、矢の末端の弓の弦(つる)を受ける部分のことです。
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D すだれ張り | 同じ長さのフローリング材を巾方向の接合面をそろえて張り、しかも同じ長さのフローリング材の繋ぎ目をすだれの様にそろえるシンプルな張り方です。
すだれ張りというと天井によくされる張り方ですが、この手法を床に応用した張り方です。 |
| この貼り方は、一見簡単そうに見えますが、継ぎ目を一直線上に揃えることは非常に難しいく、職人に嫌われる張り方です。@〜Bまでの張り方の方がはるかに簡単です。
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E 筏(いかだ)張り | フローリングの長手方向の継ぎ目を少しずつずらして張る方法です。
筏は水の上を移動しますので、水の抵抗を受けにくくするために、木材を少しずつずらして組んだ方が良く、左右対称形に組みます。
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| 形状的には雁行(がんこう)型を思い浮かべて貰えばよいと思います。良い例が見当たりませんでしたので目地を加えてみました。
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