| 出来上がった合板の表面を見ただけでは、それがどんな構成でできているかはわかりません。切り口を見ればおおよその見当はつきますが、呼び名や構成の詳細は判断しかねます。ここでは、どういった構成のものが、どんな呼称となっているかを解説します。そうすることで、商品名や呼称でその構成材を知ることが出来ます。
@ ベニヤコア合板 | これは、これまでのページで述べてきた合板のことです。大根の桂剥き(かつらむき)のように取り出した薄い板を単板(たんぱん)といい、単板はベニヤともいいます。一般的にいう合板といえば、これが該当します。歴史もあり、芯板(コア)・添え心板に単板(ベニア)を使用した一般的な合板です。
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A 単板積層材(LVL) | この単板積層材(LVL)と@のベニアコア合板との違いは、@は桂剥きのように取り出した薄い板(ベニヤ)を交互に貼り合わせたものであるのに対して、これでは同じように取り出しますが、繊維方向を交互にしないで、平行に張り合わせたものである点です。従って、単板積層材は「平行合板(へいこうごうはん」と呼ばれていました。
単層積層材は製造工程は合板に、その性能は集成材に似ていますが、集成材に比べて次のような特徴がありあます。
(1)製品歩留りが集成材に比べて高い。
(2)短い丸太から連続的に長尺材が得られる。
(3)欠点の分散によって材質のばらつきが小さくなることは集成材と同じであるが、一般に集成材より積層数が多いので、ばらつきはさらに小さくなる。
(4)防腐、防虫などの薬品処理が容易に行われる。 などがあげられます。
| 現在は「単板積層材」もしくは、英語の「Laminated Veneer Lumber」を略して「LVL」と呼ばれています。 (左の図)
単板の厚さは2〜4mm程度が普通で、積層数は数層から数十層に及ぶものもあります。単板積層材は繊維方向に平行に、つまり同じ向きに貼り合わせたものだと述べましたが、部分的には、「幅反り」を防止するために、直行する方向にも単板の層をいれることがあります。 |
合板が巾広の板として利用するのに対し、LVLは一般に出来上がった製品は厚く、主な用途が骨組材(棒状製品、軸材)を目的に利用されます。
なお、「幅反り」とは、板が外側に向かって弓なりにそることです。 単板積層材(LVL)は、建築の構造材としても広く普及していますし、ホームセンターやネットでも手に入れることができます。
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ここに上げるのは、芯板に単板以外の材料を用いて製造した合板です。下記の3種類があります。
B−1 ランバーコアー合板 |
| 芯(コア)板がランバー(挽き板)の集成材。これに両面より表面単板とクロスバンド(直交板)とよばれる向きの違う添え芯板を接着し、さらに仕上げに両面より単板を貼って出来た合板です。
通常厚さが13mm以上あります。ベニアコアー合板より重量が少なく、家具・ドア・船舶間仕切りなどに用いられます。 | 断熱、吸音効果が高いことから、オーディオ製品のキャビネットや楽器などにも多用されています。 製材品に比べて、コストダウンが図れ、常に材料確保が容易です。
B−2 ボードコアー合板 |
| ランバーコアー合板と同様にランバーの代わりにパーティクルボード(パーティクルコア合板)やMFD(中比重繊維板=MDFコア合板)などを使用した合板でやや重いきらいがあります。 |
B−3 特殊コアー合板(軽量合板) |
| 芯板の部分に紙を蜂の巣状等に樹脂加工したもの(ハニカム)を用いたものです。ハニカム合板ともよびます。このほかに軟質繊維板を用いたものもあります。
厚さは通常20mm以上ですが厚さの割に軽い合板で、床材・家具・航空機などに使用されています。なお、ハニカムとは蜂の巣の意味です。
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