| 2つ以上の材料をつなぎ合わせることを接合といいます。接合の方法の一つとして、二つの面が化学的または物理的な力、あるいはその両者によって一体化されることを接着といいます。
このとき、二つの固体面同士をつなぎ合わせる第三の物質を接着剤、接着される材料を被着材と呼びます。合板においては、接着剤の性能は命ともいうべき重要なもので、次に上げる条件を満たすことが必要になります。
| 接着剤に求められる条件 | @ | 貼り合わせる材料同士に凸凹があること。ものをどんなに平滑に仕上げても、凹凸は必ずありますし、合板に使用される木材には、もともと水分や栄養分が通る道があり、ここに接着剤が入り込み接着性を向上させます。
右の図は木材を顕微鏡で拡大したものです。想像以上に穴があいていることや、ささくれだっていることが判ります。
| | A | 接着剤を塗った時、接着剤を広く塗り広げられるもの。 簡単に薄く塗り広げて行くことが簡単なこと。
| B | 塗った接着剤が、接着後は固まること。 固まらないと剥離の原因になります。
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接着剤は、同時に鉄やゴムなどの同じ場所で使用する部材を腐らせたり、劣化させることがなく、また、洗浄性が良好で、接着粘度の調整もできるものが求められます。さらにいえば、安価で、大量に入手が可能であることも重要な点です。合板を正しく使用するには、使用する場所(環境)に応じて使い分けることが大切です。
JAS(日本農林規格)では接着剤の分類を次のように上げて使用箇所、目的に応じて使用することを規定しています。
特類(フェノール樹脂接着剤等) | | フェノールとホルマリンを主原料とする接着剤。ユリア樹脂系接着剤やメラミン樹脂系接着剤と比較して耐水性、耐熱性に優れ、フェノール樹脂系接着剤で接着した合板は、JAS構造用合板の規格において、「特類」または「1類」の接着性能を示す。一方接着剤が赤褐色のため、接着層は赤褐色となってしまう。
屋外又は常時湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした合板。
→ 構造用合板(Kプライ)・ヨット等舟艇用合板・足場板用合板等
| | 1類(メラミン樹脂接着剤等)<タイプ1> | | メラミンとホルマリンを主原料とする接着剤。ユリア樹脂系接着剤と比較して耐水性、耐熱性、耐老化性に優れています。保存性が悪いことと高価であることから、尿素とメラミンとホルマリンを組み合わせる場合が多い。
コンクリート型枠用合板及び断続的に湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした合板。
→ コンクリート型枠用合板・住宅地下用・建築物外装用合板等
| | 2類(ユリア樹脂接着剤等)<タイプ2> | | 尿素(ユリア)とホルマリンを主原料とする接着剤。一般的に硬化剤として塩化アンモニウムや酸が用いられ、粘度調整と増量、接着後の接着層の老化防止を目的として小麦粉を加えたり、粘度調整に水を加えたりして使用する。
時々湿潤状態となる場所(環境)において使用することを目的とした合板に使用。
→ 住宅・船舶・車両等の内装用合板・家具用合板等
| | 3類(増量ユリア樹脂接着剤など) | | 家具や全く湿気のない場所で使用する合板に使用。現在では特殊用途に限られ生産量もきわめて少ない。 | | | |
なお、ここに上げたもの以外にJAS規格にない接着剤も多数合板には使用されています。
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