変り障子の種類と形状 |
丸角障子 (まるかどしょうじ)
| | 框の内側の付け子が四隅で丸面取りとなった障子です。一見、ありふれた加工であり、よく見かけそうですが、殆ど見かけません。
組子の入った、衝立、欄間などではよく見かけます。また、ガラス障子のガラスの周りにもよく見かけます。
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掛け障子 (かけしょうじ)
掛け障子の上の図で、水平 枠や垂直枠が角部分で少し 外に突き出た部分を角柄と いいます。 | | 掛け障子は、文字通り壁に出た突起物に掛けるだけの障子です(上框の出っ張りにかけます)。取り外しが簡単にできます。
取り外すとそこは外壁がひと廻り小さいくらいの四角い開口部になっています。そして用心のため、竹などの縦の荒い目の面格子が打つ付けられていたり、壁の中に埋め込まれていたりします。
この障子を取り外しさえすれば、外部の景色や風を楽しむことが可能です。風流ですが、冬は寒かったでしょうね。
主に茶室に用いられる障子です。茶室使用の障子骨は全体的に細めとなります。その他では、和風旅館などで見かけます。
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太鼓障子 (たいこしょうじ) | | 太鼓障子は、太鼓のように叩く部分とその反対側にも同じように皮が張ってあります。間隔をあけて両面から貼り合わせているというのが太鼓貼りです。
そういう貼り方がしたものが、太鼓障子です。普通の障子は四週の框の半分くらいの組子が片側によってついていますが、太鼓障子は、框の厚みと同じだけの奥行きの組子になっています。
一見すれば、どちらも裏が見えているようなものです。普通の障子より気密性は向上しますが、重くなります。
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雲障子 (くもしょうじ) | | 縁側や雨戸の上などの欄間(らんま)部分に作りつける横長の障子のことです。「雲」とは高いところにあるの意です。 |
子持ち障子 (こもちしょうじ) | 子持ち障子の特徴は、一本の溝に引違の障子が入っているものです。それでは、どうやって引違が出来るのか?という疑問が出てきます。実は障子二枚分の溝になっています。障子の両端は、その溝幅一杯近くの竪框(たてがまち)になっています。
障子が重なるところである召し合わせ部分では竪框は溝の半分より少し小さ目になっています。これにより、ガタつかないで、引違が可能なのです。それでも、使い続けるとうまく引違が出きなくなるのは、否めません。子持ち障子は、禅宗方丈建築の最古の遺構である、京都の東福寺竜吟庵方丈にも使われています。
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↑ 左側の竪框(たてがまち)は、溝幅一杯になっているため、太くなっています。一方、右側の竪框は幅が小さくなっています。引違が出来るようにするためです。 画像は、召し合わせ部の竪框と比較できるよう端部分が引いて来てあります。
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↑ 引違い障子の左右が重なるところである召合せ(めしあわせ)部分の画像です。一見、何の変哲もありませんが、溝が二枚の障子があるにも関わらず一本しかありません。
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