1.手すき楮(こうぞ)障子紙 ↓ | 高級住宅/茶室高級料亭/旅館 |
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障子紙の最高級品。材料を選び、手間暇かけて作られるため、風合も丈夫さも抜群です。私の実家でも楮(こうぞ)の原木を蒸して皮を剥いて出荷していたのを記憶しております。但し同じ手すき紙でもパルプを主にしたものはかなり品質が落ちます。
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2.マニラ麻・レーヨン・ビニロン等の混抄障子紙 ↓ | 住宅/高級ホテル/旅館 |
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マニラ麻やレーヨン、ビニロンなどを40%以上配合したもの。手すき和紙の感覚をのこし、独特の風合と強さをもつ機械すき和紙の最高級品です。
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3.レーヨン障子紙 ↓ | 住宅/マンションホテル/旅館など |
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レーヨン40%以上配合したもの。美しい光沢とかなりの強度などが楮(こうぞ)に似ており、原材料が楮にくらべて安いので、質的にも価格的にも最も実用的で、現在いちばん多く使われています。
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4.レーヨン入り障子紙 ↓ | 住宅/マンションホテル/旅館など |
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レーヨン障子紙の簡略版。パルプにレーヨンを20%以上40%未満配合したものです。その混ざり方は、メーカーによって変わります。 下記のパルプ障子紙より丈夫です。
メーカーから、かわいい柄のものやレースのカーテンのようなものが出ており(左図)、選ぶのに目移りするほどです。また、そのまま包装紙としても利用できます。貼り方は、従来通りの糊を使った貼り方になります。
(画像出典:和紙生活 画像サイズを縮小しています)
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5.パルプ障子紙 ↓ | 住宅/マンションホテル/旅館など |
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殆どの障子紙に使われているパルプには針葉樹パルプと広葉樹パルプがあります。一般的に針葉樹パルプの方が広葉樹パルプより繊維が太くて長いという特徴があります。
針葉樹パルプを多く使った障子紙の方が強度もあり、濡れても紙が切り易く作業性が良い傾向があります。パルプ障子は、パルプを80%以上配合したもの。残りは、レーヨンとビニロンバインダーが各10%配合。低強度で風合も落ちますが、価格的にはいちばん手頃です。
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6.プラスチック障子紙 ↓ | ホテル/旅館料理屋/公共建築など丈夫さの要求されるところ |
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障子紙にプラスチックフィルムを裏面から接着したり、両面からサンドイッチのように接着したものです。とはいっても、障子紙の風合いはありますし、模様の入ったものもあります。(右の下図)
特に両面にフィルムを接着したものは猫などが障子紙を破るのを防ぐ工夫がされています。ただ、二つとも通気性はありません。貼りつけは、付属する両面テープをまず組子と框に貼り、そのテープの上をはがして貼っていきます。
障子紙の最初の位置決めは、マスキングテープで仮止めし最後にそれをはがして両面テープを下に貼って終了。後はカットして終わりです。
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7.機能を持った障子紙 ↓ | 住宅/マンションホテル/旅館など |
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アイロン障子紙、消臭障子紙、難燃障子紙等の障子紙があります。その他にも、模様入り障子紙、カラー障子紙などあります。
アイロン障子紙は、最近では主流になりつつあります。一般障子紙は剥(は)がす時に水を使うため、場所に気を使う必要があります。しかし、これは張るのも剥がすのもアイロンを使用しますので、其の気づかいはふようです。
アイロン障子紙はまた、通気性も風合いも糊貼りした場合と代わりません。また、アイロンをかけたからといってその部分が、てかったりもしません。剥がす時も、アイロンで温めて剥がせます。
消臭障子紙は、光触媒酸化チタンと無機系消臭剤を刷り込んだもの、備長炭を刷り込んだものなどがあります。前者は、太陽光に当てると、再活性しほぼ永久的に使えるといいます。その他、全国的に数多くの商品があります。ただ、どれもなかなか高価です。
難燃障子紙は、メーカーによって、加工のノウハウはあるようですが、パルプとともに水酸化アルミニウム等を含んでいるので熱せられると成分が別れて水分(結晶水)となり紙の炎上を防ぐ(自己消火能力)が主体であることは共通しているようです。また、プラスチック障子紙でも燃えにくい加工がなされています。
火災の時を考えると、お勧め出来ます。
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