| 文字通り腰の部分に腰板がついている障子です。腰が付いている理由は二つあります。その一つは、出入りが頻繁である場合、ちょっとしたはずみで、足で障子紙を破いたり、組子を傷めたり、壊してしまったりすることがあることへの対応です。今一つは、腰無しの場合、風雨で紙が容易に破けてしまうための対応として設けたものです。
改めて言えば、障子の下部が腰板になっているものを「腰付き障子」あるいは「腰障子」といいます。腰板の高さは、現在は30cm程度が一般的で、歴史的には60cmから70cm程度の高さの腰板が主流であったようです。
これを腰板が高くまであることから、「腰高障子」といいます。腰付障子に対して、前ページで述べた腰板のない障子紙だけのものを「水腰障子」などと呼んでいます。
腰付障子(こしつきしょうじ)の種類と形状 | 腰付障子 (こしつきしょうじ)
| | 下部に35cmぐらいの腰板を張ったものです。古い歴史のものの中には腰板に彩画したものもあります 。
現在では、天然の木材の木目を活かした板が貼られていたり、それらを模したラッピングという塩ビシートを貼り付けた製品も見られます。
| 腰高障子 (こしだかしょうじ)
| | 上記の腰付障子の一種です。その名の通り腰の部分が高くなっています。歴史的には、この腰高の方が主流でした。
雨がかかるののを嫌い、腰の部分が80pとしていたとの記述もあります。
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障子は、その始まりは目隠しが目的であったため、紙を両面に幾重にも貼り、仕上げには、絵が描かれることは、ごく一般的なことでした。それが、上の部分には障子紙だけの明かり採(と)りとなる平安末期からは、下図のように、腰板部分に絵が描かれて、その伝統が受け継がれて来ました。
現在の製品では腰板に絵が描かれることはまれです。腰板を補強するのも兼ねて、縦あるいは横に桟木を入れて、腰板が部分が虚ろになるのを避けています。
桃山時代の腰高障子の例 | | | 障子の腰板を楕円など円みのある形に刳り抜いたところに竹の網代や籠目をあてることで花器や花籠に見たて、そこに花鳥図を描き加えたものです。
趣向、意匠ともに優れたものであります。障子には大小2種類あり、大きいものは176cm×112.6cmで4枚、小さいものは176cm×90.4cmで8枚であります。
もとは敦賀城のものでしたがが、後に来迎寺(同、福井県)に収められたと伝えられています。
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出典:画像と文総て「福井県教育庁生涯学習・文化財課の福井の文化財によりました。 |
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