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1. はじめに「畳について」

2. 畳の歴史

3. 畳の原料「イグサとは」

4. 畳の構造「畳床」とは

5. 畳の構造「畳表」とは

6 畳の構造「畳縁」とは

7. 畳を織る「経糸」とは

8. 畳の分類

9. 畳の寸法

10. 畳の敷き方 1

11. 畳の敷き方 2

12. 茶室と四条半敷き

13. 畳の日常の手入れ

14 汚した時の応急処
  

15. 畳の交換と価格

16. 畳の上の正座
 (しびれない正座の
  方法)

         
 5. 畳の構造 『畳表(たたみおもて)』とは

 畳表(たたみおもて)とは、イグサの茎などと麻糸とで織った「ござ(茣蓙)」のことで、畳の表につけます。産地により備後(びんご)表・琉球表などがあります。イグサを横に、麻の糸を縦糸にして織られていて、等級もイグサの種類によって分類されます。高級な畳には縦糸にマニラ麻の糸などが使用されます。使われるイグサの量は畳1畳で大体4000〜5000本でさらに高級な畳になると7000本のイグサが使用されます。



引目表(ひきめおもて)

標準的なな畳表目幅1.4pです。
目積表(めせきおもて)

細め幅の畳表です。通常の半分の目の細かさです。高級品です。




   龍髭畳表(りゅうびんたたみおもて)

 床の間には龍髭畳表(りゅうびんたたみおもて)という独特な畳表が使用されます。龍髭畳表(右の図の中央)は上記の引目表(右の図の一番下)の倍近い目幅があるのがわかります。色は、一般の畳表の青々としたものと違い、畳が日に焼けたような色合いを用います。


 現在では畳床を使わずに、薄縁(うすべり)と呼ばれる畳表に畳縁をつけただけのものが多く使われ、畳床は使いません。薄縁は板の間や座敷の畳の上敷きなどに用います。





 ■ 藺草(いぐさ)の畳表の生産地
 
 藺草の畳表は日本国内だけでなく、中国でも生産が行われています。中国産は国産にまだ及びませんが、近年藺草(いぐさ)の栽培技術が進み品質が向上してきました。国産の畳表と中国産のそれとの違いを下記にまとめました。


 国内産の畳表の特徴

 国内十数か所で生産されており、色調、光沢、地合いそれぞれ地方によって様々です。中国産に比べ自然な色合いでイグサにねばりがあり耐久性があります。価格は中国産より高くなりますが、普及品から特選品まで豊富にそろっています。


 日本産の中でも、地域によって特色は様々です。それぞれが生き残りをかけて、特色のある製品を発表しています。
 現在畳表の生産地は、熊本、福岡、佐賀、広島、石川などの地域です。中でも熊本は全国の日本産の消費量の90%近くを占めています。





 中国産の畳表の特徴

 価格が安く一番普及しています。品質は中から下の物が中心で、集合住宅や賃貸住宅等に多く使用されています。国内産との比較ではイグサの取り扱いの差などから耐久性が低く、見た目の品質をそろえるために、畳表に着色料が使われており、自然の風合いに欠ける物になっています。


 近年では、日本の藺草を中国に運び栽培、日本の企業の技術指導により上質な畳表も造られるようになりつつあります。日本国内の年間消費量の半分をを占めています。





 ■ 工業畳表(こうぎょうたたみおもて)

 天然の藺草ではなく、新素材を使って畳表風に仕上げた製品です。原料はメーカーによって様々ですが、天然の和紙やポリプロピレンを原料としているものや無機材料としてカルシウムをポリプロピレンに混ぜ、天然の藺草のような湿気を調整する製品(下の図)のような製品も発売されています。


 工業畳表の特徴

 長所としては、従来のイグサ畳表にくらべ耐久性が有り、変色もほとんどなくダニやカビの発生も抑えます。工業製品であるため、天候や作柄に影響されません。また、商品ごとのバラつきがなく常に安定した品質と価格を提供を可能にしています。


 さらに、豊富な色合いの畳表の提供が可能になります。そのほか別注色もありますが、注文数量にまとまりが必要です。(左の図はメーカーの常備色の色見本)

 短所としては、天然のイグサ畳表に比べ風合い、色合い自然の感じに乏しく特有の香りもありません。




画像出典:龍髭畳表 秋山畳店(高松市)
画像出典:日本産畳表と中国産畳表 且R仙
画像出典:MIGUSA及び色見本 積水成型工業

           






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