| 前位にも片通り、畳は外国から伝わった物のように思われがちですが、日本固有の敷物です。その歴史は奈良時代(710年〜)にまで遡ります。現存する畳の最も古いものは奈良時代のもので、奈良東大寺の正倉院にある聖武天皇が使用した「御床畳」(ゴショウノタタミ)という、木製の台の上に置かれ、寝台として使われたものです。これは現在の畳と同じように真薦(マコモ)を編んだ筵(ムシロ)のようなものを5〜6枚重ねて床として、表にイ草の菰(コモ)をかぶせて錦の縁をつけたものです。
その後平安時代(794〜)、鎌倉時代(1392〜)、安土桃山時代(1573年〜)を経て江戸時代中期(1716頃)年になってようやく畳は一般庶民の物となりました。 しかし農村にまで浸透したのは、明治時代になってからの話で、長い歴史の割には、庶民的な敷物となるには時間を要したものです。現在では、全く和室を設けない住宅を作る人も珍しくなくなりました。こまめな畳干しや、その手間と場所の確保が難しさなどが敬遠された理由のようです。
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