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階段の天井高さと言えば、各フロアの踊場の上部の水平な部分の天井や階段室の最上階の部分の高さしか思い浮かびませんが、その部分というのは大抵、2.3m程度は取れるものです。
では、階段裏の斜め部は天井高さとは言わないのでしょうか。実はそのその部分も天井です。斜めの天井高さ2.1m以上確保したいものです。これ以下ですと、天井に頭を打たないとしてもかなり圧迫感が増してきます。
といっても、階段は階高さで決まってくるので階段を最小限のスペースに収めるように考えると、2.1mでもギリギリといケースやそれ以下というケースも出てくるでしょうが、基本は2.1m以上と心がけてください。
また、階段を支える構造上で小梁を設ける必要がある場合、階段を横切る(段に平行に出る)場合も、注意が必要です。位置によっては頭を打ってしまうことにもなりかねません。階段内部には、梁を設けないことが、最も大切です。
ある階から上階に登る階段で下図のような階段の場合は、階高の中間あたりで折り返しの踊り場を設けます。その踊場には平面計画上忘れがちな各階の床梁が出てくることがあります。
それに実設計で気がついて大変なことになり、施主には階段のプランの変更をお願いしたりするケースも出てきたりしますので、特に注意が必要です。階段の平面計画では、特に梁の位置を念頭において計画してください。
これは階段を計画するときには、本来基本設計の段階で十分考慮されるべきです。また、張り出した梁にはホコリが溜まり、掃除もままならず、とても見苦しくなりますので、その処理も考えなくてはなりません。
梁下のスペースに物入れを作ろうという案が浮かぶかもしれませんが、計画している階段が避難階段である場合には、地域によっては規制しているところもありますので確認して置きましょう。
これらをまとめて下の図にしました。まず断面図から。踊り場の有効幅は図のように階段側に張り出している梁からとなります。また梁下は1.15mしかなく大人が通行出来ません。従ってここは、軽鉄下地にボード張りやブロック積みモルタル塗り、あるいは柵を設けるしかありません。
今、図では段鼻まで有効幅としていますが、通常の階段では、階段中央部に手すりが付いており、その手すりの方が、段鼻より梁側に出ているのが一般的です。その場合はその手すりの先までが、有効幅となりますので、後付け手すりを考えている場合は、特に注意が必要です。手すりの出幅は段鼻より100mm程度が常識でしょうか。
平面的には下の図のようになります。上の説明でも書きましたが、階段と手すりとは同じ位置では納まりがつかず手すりの方が踊り場に100mm程度張り出すのが一般的です。また梁も断面図のように踊り場に張り出しますのでその分も考慮する必要があります。
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