| 建築物の形式としての階段は次の二つに分類する事が出来ます。
@ 屋内階段 ⇒ 屋内にある階段
A 屋外階段 ⇒ 屋外にある階段
@ 屋内階段 | | | 屋内階段とは建物の内部にある階段のことです。
屋内にあって階段をコンクリートの耐火構造などで一つの部屋のように仕切ってしまったいわゆる「階段室」の形のもの。(左側の画像)
まったく仕切りなどなくオープンなものも建物内部にある階段も屋内階段です(右側の画像)。商業施設や事務所ビルの1-3階の間に設けられることが多い「部分階段」です。
ただし、このような、オープンな階段は法的な避難施設(避難階段)として認定されませんが、避難のためには利用可能です。要するに、避難出来ればよいのですから。
左の画像のように、避難のための階段は火災などの災害から地上まで安全に避難ができるように、1つの完全な部屋であることが望ましいわけです。ですから、窓なども出来れば最小限度にとどめて外部からも建物内部からも影響を受けないような形状や設備であることが好ましいと言えます。避難の際の階段には、蓄電池付きの照明や何階なのかを示す表示、手すり以外には、避難に際して障害となるようなものはあってはなりません。
例えば、何か設備の配管が階段部分を横切ったり、貫通していたりしてはなりません。また、窓も必ずしも必要ではありません。閉塞感や明り取りのために設けますがどうしても必要というわけではありません。
よくスーパーなどで、階段室にまで物が陳列されているようなケースを見かけますが、間違いなく違法です。階段室には何も置かないのが決まりです。
画像左 出典:屋内階段 Pixabay 画像右 出典:Aribaba.com
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A 屋外階段 | | |
屋外階段とは、屋外にある階段のことです。
屋内階段とは違い、建物の外部にあって、建物に付属している階段のことです。屋外階段は、屋外にあり、当然外気にも開放されています。従って、煙などによる危険性が屋内階段より低く、建築基準法の規制も比較的ゆるくなっています。
左の画像は、大きな事務所ビルやスーパーなどによく見かけます。これは常時利用することは、皆無といっていい程ありません。非常時の建築基準法の二方向避難の確保のためにだけ、設けられたものです。このような屋外階段にすると、低コストで且つ省スペースで納めることが出来るため、良く利用されます。
右の画像は、小規模な共同住宅、長屋、軒を連ねた2階建ての店舗などでよく目にするところです。これらは、日常で常時利用されますので、雨掛かりになるのを避けるために庇などを設けるのが一般的です。
その場合、建築基準法において屋外階段かどうか行政ともめるところです。画像のように、手すりの腰の部分に開放性がないものである場合、全体的に開放された屋外階段であるのか?という問題です。
実は、屋外階段の取り扱いや規定が建築基準法には細かな規定がなく、それに反して、敷地と建物、そして設計時の建物と階段の配置などには、様々なケースがあり、基準法だけの記述による、屋外階段の判断が難しく、建設省の告示や条例などで細部を決めています。階段配置計画には、事前に役所などと避難経路の取り方などで、やり取りをしておく事が重要です。
画像左 出典:叶ャ田製作所 画像右 出典:コープ住宅
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