| 2015年の世界192ヶ国の森林率ののランキングによると、日本は17位となっています。森林率とは、ある地域において森林が占める面積の割合のことで、国比較では「ある地域」の部分を「ある国」と読み替えます。
もう少しややこしくいえば『内陸水域(湖沼、河川)を除いた国土面積に対する森林面積の割合』ということになります。
このランキングで、日本より上位にいる地域と国を下表に挙げました。
世界の森林率(%)抜粋 | | 1位 | スリナム | 98.28 | 中南米 | | 2位 | ミクロネシア | 91.81 | オセアニア | | 3位 | セシェール | 89.31 | アフリカ | | 7位 | ラオス | 81.28 | アジア | | 10位 | フィンランド | 73.11 | ヨーロッパ | | 11位 | ブータン | 72.28 | アジア | | 12位 | ブルネイ | 72.11 | アジア | | 16位 | スウェーデン | 68.46 | ヨーロッパ | | 17位 | 日本 | 68.46 | アジア | | | | | | |
いわゆる先進国主要国(日本・アメリカカ・イギリス・イタリア・カナダ・ドイツ・フランス)と呼ばれる国では、日本より下位には、73位にカナダが初めて顔をだす程度です。以下は86位がアメリカ、94位ドイツ、98位イタリア、101位フランス、135位イギリスといったところです。
YouTubeなどを見ていますと、ヨーロッパやアメリカ、オセアニア地域などの山には、確かに木は茂っているように見えますが、雑木がひしめき合うというのではなく、大きな枝ぶりの木がボツボツ生えている感じで、密集感がまるでありません。これらを見ると、森林とは言い難いかと思います。
日本は、今日このように国土面積の68%に当たる約2540万haを森林が占める、森林率では世界でも有数の森林国です。古来からこれらの豊富な森林資源を、薪・炭をはじめ農耕具、紙、衣服、薬や気候風土に適した木造住宅、寺院や神社、彫刻などの工芸品等、幅広く利用してきました。日本の建築の歴史は木造建築の歴史でもあるといえます。同時に植林による保護や手入れも行ってきました。それは、日本の森林面積の4割は植林であることからも判ります。
データー出典:グローバルフォレスト
しかし、木材の自給率となると、日本の立場は一転して下位に落ち込みます(ランキング統計がないのですが)。以下は2005年の林野庁の統計ではありますが、カナダの303%、アメリカの86%からいえば自給率は、大きく遅れを取っているということは明らかです。森林率で殆ど同位のスウェーデンでも自給率は139%となっています。
日本においては、平成25年の木材の自給率は28.6%と平成12年18.2パーセントから、長期に渡って少しづつ回復傾向にあります。政府は、平成37(令和18年)年には50%を目指しています。
日本の自給率が上がらないのは、木材の加工するところまでにかかるコストが高いということが一番の理由です。日本の森林の多くは、山深くまた険しい谷に面しており、木材を切り出すには、人手と切り出しや運搬に困難が多いため、要するに「引き合わない」ということなるのです。
しかし、植林を放って置くと、材木の価値が落ちていくことから、今日手入れをしなければならない最後の機会というしかありません。
| | 皮肉なことに、この「引き合わない」ことが、日本の森林を守ってきたともいえますが、地球の温暖化が問題になっている今、輸入に頼ることは外国からの批判が厳しくなり、輸入材の価格も上昇することが予想されます。
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ところで、「木材(もくざい)」とか「材木(ざいもく)」の言葉を使っていると、どう違うのかわからなくなってしまうことがあります。その違いをうまく説明出来る人は、多くないでしょう。木の取引を行う時は、木材のことを材木といいます。しかし、これでは混乱するばかりですので区別を付けたほうが良いでしょう。
材木は、「山に植わっていて、切り出され、集積されたところまで」とします。材料となる木というわけです。「材木が製材され、使えるところまで」くれば木材です。木の材料だから木材です。鉄なら鉄材というのと同じことです。
このページタイトルは「木材」となっていますが、「材木」も「木材」も含めて紹介します。
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