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 W-Wallet 木材


  林国

2. 木材の種類・特長・用
  

3 木の種類 代表例

4. 木の強度は?

5. 木の反り(そり)と割れ
  (われ)について

6. 木の腹と背及び芯持
  材と芯去り材

7. 「春材・秋材」と「木取
  り」について

8. 柾目・板目・杢目につ
  いて

9. 節について

10. 木の元口と末口・辺
   材と芯材について

11. 製材のJAS制度と
   等級

12. 檜(ヒノキ)と杉(スギ)
   、そして松

13. 木材の使用箇所
    (構造材)

14. 木材の使用箇所
    (内装材)

15. 集成材と積層材

16. 集成材の種類

17. 森林の手入れの必
   要性について

      
 10. 木の元口と末口・辺材と心材について

 「元口(もとくち)」と「末口(すえくち)」は木材の丸太を扱う時には必ず使う言葉で、建築に関わる人なら大抵耳にされたことがあるはずです。


 下の図のように、木を切り出した時に必ず二つの幹に切り口ができます。木の根元の方の切り口を「元口(もとくち)」といいます。元口よりずっと上の方で切断された部分を「末口(すえくち)」いいます。


 元口、末口は丸太の大きさを表し、例えば売買する時には、「長さ三メートル、末口百二十パイ(直径百二十ミリメートル)を一本」などといいます。

 柱として利用する場合、元口側を下にして使用するのは木材を扱う人たちの間では、常識とされています。

 これを逆さに使うことを「逆木(さかぎ)」と呼び、その家に不幸をもたらすといわれています。空高く伸びていた末口が下になっていては、その家の発展もないという「いい伝え」です。

 山に植わっていた状態で使うことの方がごく自然であろうと思います。また、同じ太さの柱であっても、元口の方が木全体を支えていた度合いが高く、曲げ応力などに強い抵抗ができると考えてもよいといえます。



 ■ 製材された角材の使い方

 製材された角材を柱として用いる場合、年輪の幅や木目の形状などで、元口と末口を見定めて、元口が下にくるように使うことは、すでに述べてきたとおりです。年輪の幅は元口と末口とでは間隔が違いますから(元口の方が広い)判断に迷うことはありません。


 横にかけ渡す梁などを繋ぐ場合には、つなぎ目に末口同士が来るようにします。これを「行合い継(ゆきあいつぎ)」といいます。順当な継ぎ方だからでしょう。これとは別に元口同士を合わせて繋ぐことを「別れ継(わかれつぎ)」といいます。禁じ手の継ぎとなるからです。別れは不吉とされます。忌み嫌らわれますから。




上の図では、開口部の敷居や鴨居は、樹皮側の木表側に反ることから、木表側が開口部側にくるように使います。柱、土台、梁などでは、窓や出入り口の開口部を反ることによって、開口部に支障が起きないよう腹側が開口部側にくるように使います。



 ■ 鉋掛け(かんながけ)の仕方


 製材後の木材に鉋掛けを行う場合、右の図のように取りだした黒枠の板材を取りだした場合、木表では、一般的に木表側は末口側から元口側へ、木裏では逆に、元口から末口へとかけるとスムーズに行きます。掛けた後も綺麗にです。


 もう少し説明しますと、黒枠まわりをみてください。少し図は極端に書いていますが、元口から末口に向かって斜めに木目が通っています。ここを見ます木表側は末口側から元口側にかけ、木裏側からは元口側から末口側に鉋掛けすることが綺麗に掛けられることがわかると思います。

 鉋掛けがこのように木目の成長方向に掛けることを「順目(じゅんめ)」、逆方向に掛けることを「逆目(さかめ)」といいます。

 逆目に掛けると、掛ける材に食い込みやすく、ささくれ立つことが多くになります。これは、職人である大工(だいく)の鉄則とされています。
 ただ、製材されて板となったものをどちらが末か元かを簡単には、見分けがつきません。注意深く木目を見たり、板の毛羽立ちを見たりすることで、ある程度の判断材料とすることができます。



 ■ 木の辺材と芯材について

 木は成長するに連れて、上に伸びてゆくと同時に太くなっていきます。年輪はその木が生きてきた年月の証(あかし)です。幼木(ようぼく)から小木(しょうぼく)の頃には、木の断面は成長のために水分と無機養分をくみ上げる導管が次々に外側に増えて木の断面は一様に活発に生育しています。


 しかし、樹齢が10年を超える頃には、中央の樹心部分が成長が止まります。これを細胞死といいます。細胞死すると次第に色味みを帯びてきます。この色のついた部分が芯材です。芯材の色は木が歳を重ねるごとに濃くなり赤みがかった色から焦げ茶や黒っぽい色に変化していきます。樹齢が大きくなるに従い、この芯材も大きくなり、木の断面の過半を占めるように変化します。


 これに対比する形で木の細胞の成長が外側へと移っていることを示しています。この芯材の周りで成長を続ける部分が辺材です。芯材のように濃い色をしていません。ただ、木の種類や同じ木でも右下の画像ほど明確に色分けされことは限りません。不明確な場合も多々あります。業界用語では、芯材のことを「赤身(あかみ)」、辺材のことを「白太(しらた)」とよんでいます。


 中心部が色が着く理由は、木の芯付近の細胞死による病害虫への防御や腐食に耐えるための物質を貯蔵するためであると考えられています。


 その物質が「芯材物質」といわれるものです。これらを堆積することによって、木が風雪や病害虫に耐えられるようになるとされています。


 芯材物質として抽出された物については、テルペン,フェノール,タンニン,ワックス類などがありますが,βツヤプリシンはヒノキチオールとも呼ばれ,アスナロ,タイワンヒノキ,ベイスギ,ベイヒ,ネズコなどに含まれている抗菌物質などがあるようです。
色の濃い部分を芯材といい、外側の色の薄い部分を辺材といいます。



画像出典:木の断面 ウィキペディア。







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