| 音は不思議な性質を持っており、たった一つの音源でも複数の物に与える影響は思いもよらないものとなることがあります。それが騒音であった場合大きな問題を引き起こすことにもつながります。逆に、音が出す効果を利用することも大切です。
このページでは、音が与える効果について、参考に取り上げました。
マスキング効果とは、ある音が他の音によって妨害され,その音の影響力を遮断して聞えなくなる現象のことです。2つの音が純い音のとき,周波数の差が小さいほどこの効果は大きい。一般に低い音は高い音をよく遮断しますが,高い音の低い音に対する遮断の効果はそれほど強くありません。
まとめれば、「低い音は高い音の影響力を防ぐ効果が高いが、高い音は低い音を防ぐ効果は、比較して強くない」ということです。
これらのことを利用するなら、レストランや喫茶店などに流すBGMに低めの音をだすメロディーを出すと効果が期待できます。会話の声が他の人に聞こえにくいということですね。他にも、女性トイレの擬音(ぎおん)も排泄音をブロックする目的で設けられたものがあります。
「共鳴(きょうめい)とは振動する物体が、その固有振動数に等しい外部振動の刺激を受けると、振幅が増大する現象です。例えば、振動数の等しい二つの音叉(おんさ)を二つ並べ置いて、一方を鳴らせば、他方も激しく鳴りはじめるなどの現象です。最初に鳴らした音叉が鳴りやんでも、共鳴したもう一つの音叉は、しばらく鳴り続けます。
共鳴という言葉にはほかにも、『他人の考えや行動などに心から同感すること』などの意味があります。どちらかというとこちらの方が、よく知られていて使われることが多いですね。
上の図のような同じ固有振動数を持つ共鳴箱付き音叉(おんさ)を2つ用意して、片方を鳴らします。すると、もう片方も鳴り始めます。叩かれた音叉が下の共鳴箱を揺らし、空気を伝わって隣の共鳴箱を揺らし、上の音叉を揺らして鳴らします。
固有振動数が違う音叉同士では共鳴は起こりません。
個々の物体が持つ固有振動数と同じ振動数の揺れを外から加えると他の物体が振動を始める現象を共振といいます。
上の図のように様々な長さの振り子A〜Dを吊るし、振り子Aを振動させます。すると、それと同じ長さの振り子Cも徐々に振動を始めます。振り子Cには触ってないにも関わらずです。違う長さの振り子は振動しません。振り子は糸の長さだけで固有振動数が決まるので、振り子Aと振り子Cは固有振動数が同じです。
このように、個々の物体が持つ固有振動数と同じ振動数の揺れを外から加えると物体が振動を始める現象を共振といいます。
バイオリンなどの弦楽器では,胴が弦の振動に共振することによって音のひびきを良くしています。
電車に乗っているとき、踏み切りのカンカンカンという警報音を聞くと、通り過ぎる前は高い音に聞こえ、通り過ぎた後は低い音に聞こえます。また道を歩いていて、救急車がサイレンを鳴らして近づいてくるとき、音がだんだん大きくなるとともに音が高い音に聞こえ、救急車が通り過ぎたとたんに音が低い音に聞こえます。このように観測者と音源が互いに近づいたり遠ざかったりするときに音の高さが変わることをドップラー効果といいます。
人が電車に乗っていて、踏切音方向へ近づくのと同じですし、踏切音の方から風が吹いて風下にいる場合も同様の効果をもたらします。
音を聞く人が音源から離れる場合は逆に音は低くなります。このことは、踏切音の方向から風が吹いている場合、踏切音より風上にいる場合も同様の効果が生じます。
ハース効果とは
@同じ音が
A複数の方向から発せられた場合次のBとCのように起きる現象です。
B 同音量で、音が発せられたときに、最も早く到達した音の音源の方向からすべてが聞こえているように感じてしまう現象のことです。この図の場合女の子の左側が少し先に音を出しています。これもハース効果です。
C 同音量で、同時に音が発せられた場合その中間点から音が聞こえたように感じます。これもハース効果です。
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