|
建物の外壁のアルミサッシ窓などから以外にも、外壁からの音の侵入はあります。騒音となる音の大半は空気を介して伝わってきます。したがって、空気の出入りがある部屋には音は入って来ます。アルミサッシ窓や出入り口をちゃんと締め切っているのに、何処からか音が入ってくる、、、一体、何処にそんな空気の出入りがあるのでしょうか。
窓や出入り口以外の外壁からの音の侵入 | / | 用 途 | 侵 入 先 | @ | エアコンと室外機との連結パイプ | パイプ孔とパイプとの隙間 | A | ガス暖房器具の吸排気トップ回り | 排気トップの貫通穴の隙間 | B | 部屋や台所、トイレの換気扇 | 外壁に設けられた排気口 | C | 換気用ガラリ | 外壁に設けられた室内側の給排気口 |
Aを除いて、大抵の住まいにはあるものです。Aは外炊き釜(バランス釜もあますが、最近は外部設置のガス給湯器の普及で、すっかり見かけなくなりました。燃焼自体は、外壁につき出した器具で行われるため、室内側の風呂では存外に静かです。
窓や出入り口以外の外壁からの音の侵入の経路が判明しました。では、これらに対してどのような対策を講じたらよいでしょうか。次にその事例と対策を挙げました。
エアコンの室外機との連結パイプの孔は通しやすいように少し大きい目に空けられています。その余裕部分が隙間で、ここを一般的には、粘土で塞ぎます。しかし、十分にふさがれているのかは、見た目にわかりません。住宅の外壁などは壁にエアコン用の孔をあけて、そのまま室外機との連結パイプを通してしまうことが多く、連結用のスリーブが入っていない場合が殆どです。この場合は外壁側の粘土が十分に詰められいない可能性があります。 | | 詰めようとしても、壁仕上材の厚みしか詰めることができず、それ以上は壁の空間に詰めたはずの粘土が壁の下に落ちてしまうからです。そこで、外壁貫通孔にはスリーブ(配管用のパイプ)を壁の厚さに入れ、この中に室外機の連結パイプを通すようにします。
そして空いた隙間には、グラスウールを最初に十分に詰め、最後に粘土で塞ぐようにします。さらに粘土だけの仕上げは見苦しいのでスリーブ穴を防ぐプレートを被せるようにします。グラスウールも粘土もホームセンターなどで手に入れることができます。
|
これも部屋内で使用する、ガス暖房器具の燃焼ガスを外部に放出するタイプの器具です。屋外から取り込んだ空気で燃焼し、燃焼後の排気ガスは再び屋外へ出す暖房器具です。
壁に穴をあけますので、設置場所をどこにでも移動は出来ません。外壁に穴をあけて空気の取入れと排気を行わなければならないからです。この器具も@と同様に不燃のスリーブを容れ不燃の詰め物とカバーをかけて音の侵入の防御を完全にします。
| |
これも部屋内で使用する、ガス暖房器具の燃焼ガスを外部に放出するタイプの器具で部屋の空気を汚さないため、よく利用されます。場所をどこにでも移動は出来ません。外壁に穴をあけて空気の取入れと排気を行わなければならないからです。この器具も@と同様に不燃のスリーブを容れ不燃の詰め物とカバーをかけて音の侵入の防御を完全にします。
| |
換気すべき室内の床面積が大きい場合には吸気、排気別々設けたり、一つのガラリで吸排気を同時に行う場合などでは、Bのような小型のベンドキャップでは間に合わず、左の図のようなガラリを設けることがあります。
これらは主に住宅以外の建物に多く用いられています。このガラリ自体にも騒音は発生します。外部の騒音が相当大きい場合でも、これが上回る場合もあります。吸気の風道にうねりを設けるなどの工夫が大切です。もちろん@〜Cで述べてきたような外壁とガラリとの取り合い部分も完全に行う必要はあります。
| |
これを確実に行うだけでも効果がありますが、それでも完全ではない、もっと防音したいとと考える場合には、機器や器具にも防音性のを持ったものがあります。価格も商品単体では全て1万円以下のものです。
防音換気扇 (外壁側) 図1 | 防音タイプの換気扇で、外壁に取り付けます。これは外部からの音の侵入を防ぐことを目的としています。
| 低騒音換気扇 (室内側) 図2 | 台所の換気扇を回すと、テレビの声が聞こえないということはよくあります。匂いや煙の出るような焼肉などをしながらのテレビが楽しめないというような時に有効です。低騒音なので、全く音がしないという訳ではありません。
| 低騒音換気扇 (室内側) 図3 | 高層マンションなどの部屋の窓を開けると、特別な強風の日でなくても風切り音が大きく、室内のものも散乱してしまうこともあります。これは防音のほか風量の調節、花粉対策などを行えるものもあります。取り外して洗うことも簡単にできます。
|
|
|