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音は空気の振動で伝わるため、空気の通り道への対策が防音の重要なポイント。その内、窓などの開口部は、まさに外部に面しているので騒音がもっとも入りやすい場所なのです。とくに高気密・高断熱住宅やコンクリート造住宅の場合、そのほかの建物に比べて空気の出入りが制限されているため、より一層、窓は音に対して弱い部分になります。
窓などの開口部への対策が、住まいの防音を左右するカギなのです。そこで、まずはガラスについてです。下の表に代表的なガラスの防音性能を挙げました。
代表的ガラスの分類 @ | 単板ガラス | 一枚のガラス | | もっともオーソドックスなガラス。一般的な3mm厚のものを5mm厚にするだけで約5dBの音が減少します。
ガラスが厚いほど遮音性能が良くなります。透明、片板ガラス、網入りガラスの何れも同じ厚さならば性能に差異はありません。
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代表的ガラスの分類 A | 複層ガラス(ペアガラス) | ガラスとガラスの間に空気層が密閉されている | | 2枚のガラスの間に乾燥中空層を挟んだガラス。層が厚いほど防音効果は高くなります。
断熱性に優れているが、交通量の多いところでは、遮音性能は共鳴透過現象等が見られ良くない。一方の厚さかえると中音域の改善が図れます。
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代表的ガラスの分類 B | 二重サッシ | 二重に取り付けられたサッシ |
| 上記の代表的ガラスの分類 @で取り上げた単板ガラスの付いたサッシを、二重に取り付けた二重サッシ。サッシを二重に取り付ける分、サッシの厚みが増し、納まりが難しくなります。
同様の効果に近いものとして、既存の窓の内側にインナーウインドを取り付けると、約40dBの音をカットできます。 断熱性能も高く、冬の寒さも寄せ付けません。
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代表的ガラスの分類 C | 防音合せガラス | ガラスとガラスの 間に薄いフィル ムが挟まれている |
| 2枚のガラスの間に防音中間膜を挟んだ合わせガラス。サッシの見込みが大きく取れない場合におすすめ。
対衝撃性に優れているが、遮音性能は、単板ガラスと大差ないが、1kHz以上では単板より顕著 に改善します。8-10mmのガラス厚は遮音上有利。二枚のガラス厚さを変えても差はでません。
下記で詳細を述べます。 |
上記の防音ガラスは、その名が示す通り防音のために開発された製品です。ガラスだけを対象とした対策で、ほぼ完ぺきに防音できますが、騒音はガラスからのみで室内に侵入するわけではありません。防音ガラスに合わせて他の対策も行うことが必要です。それについては、次のページにまとめています。
ここでは防音ガラスの一例として、下記に日本板硝子の製品の特長をそのホームページを参照します。
| ガラスは音に弱い、という常識をくつがえすガラスがあります。 防音ガラスは2枚以上のガラスで特殊中間膜を挟みこんだ合わせガラスです。騒音によって起こる振動を熱に置き換え、音の波を消滅させる原理を用いたものです。これにより、音域全体を高度な遮音性能でカバーします。さらに、サッシとの併用により、一重窓でも優れた防音性能を発揮します。
『車や工事など外部からの騒音を防ぎ、静かな生活空間を実現します。 さらに、室内の音が外に漏れることもありません。楽器演奏やお子様の声など周囲に気を配る必要はありません。(日本板硝子)』
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注)製品の例として紹介しているだけで、日本板硝子の製品の推奨しているわけではありません。
防音ガラスのところでも述べましたが、窓からの騒音の侵入はガラスからのみに留まりません。サッシの隙間からも侵入してきます。防音ガラスにするなら、サッシも防音仕様のサッシとするべきです。防音ガラスに防音サッシのケースより二重サッシの方がより防音に効果的です。
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