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前ページに続き、目視や打診によるクラックの発生を知る方法以外の、機器類を使った検査方法を紹介します。
2. 光波測量機による外壁探査 |
| 光波測量機によるひび割れ調査はクラ ックスケールを内蔵したひび割れ調査 専用の光波測量機により、離れた場所 から非接触でひび割れの位置、幅、長 さを計測、記録し、記録されたデータか らコンピュータ上で正確な図面を生成し ます。光波とは赤外線を意味していま す。
目視調査に比べ、幅・形状・位置が正 確に記録出来るため、精度の高い結 果が得られます。 | また、継続的に調査を実施する事により、クラックの成長を把握する事が出来、 長期的な劣化進行の予測・対応が可能になります。
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下の図は「光波測量機による外壁探査」実際の外壁探査の結果の例です。
| 光波測量機はクラックスケールを内蔵 した測量器で、離れた場所からひび割 れの正確な位置、幅、長さを計測しま す。
50m先の0.2mmのひび割れ、80m先 の約0.31mmのひび割れを測定可能で す。 また、構造物のポイントを計測・記録 する事によって、建物の正確なCAD図 面を作成する事も可能です。
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『遠く離れた場所からでも正確に計測し、パソコン上で2Dや3Dに素早く作図できるのが、測量や施工管理を行う関西工事測量が開発したひび割れ計測システム「KUMONOS」だ。2007年に土木学会で発表するや、ひび割れ計測を変える革新的な技術として、日本はもとより海外の学会からも注目を集めた。』(独立行政法人 国際協力機構)。
上記画像出典:KUMONOSコーポレーション株式会社。独立行政法人 国際協力機構でも紹介されています。
3 超音波による外壁探査 | 前ページの赤外線や上記2の光波測量機が建築物の表面の探査を行うのに対して、超音波による探査は、コンクリート内部にまで及び、鉄筋の配筋状態や設備用の配管などの位置も調べることが可能です。
超音波を発生させ、その反響により見えない部分を探査します。これによりクラックなどの不具合の原因を探ることも可能になります。
| | | 放射線(X線)透過法 | 探査は、放射線透過法(上の図)の他にレーザー法、電磁誘導法があり、用途に 応じて使用されます。 | | | レーダー法 | | | 電磁誘導法 |
超音波による探査の長所 | @ | 躯体を傷つけることなく、何度でも検査できます。 | A | 高所や広範囲の検査に有効で、騒音やコンクリートガラの発生もありません。 | B | 正確性は破壊検査(実際に破壊して行う検査)に劣りますが、鋼材損傷の危険性や補修の必要がありません。 |
超音波による探査の短所 | @ | 検査装置が大掛かりになる。 | A | 部材によってはクラックの方向性、深さが判定できないことがある。 |
結論的に言えば、一番良いのはすべての方法を合わせてクラックの検査を行うのが、それぞれの欠点を補うのに良い方法です。予算さえ合えばの話ですが。
画像出典:超音波探査の記事の部分 非破壊検査梶@同社は赤外線探査等もおこなっています。
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