| 一旦出来てしまったコンクリートのクラックは、補修しか修復の手はありません。外壁を作り直す方法も規模の小さな木造でしたら、不可能では有ありませんが、マンションや、住宅でも規模が大きくなれば現実的な手段とはいえません。
そこで補修を行います。クラック部分を図のようにUの字にカットします。幅と深さは大体1cm程度でよいでしょう。カットの長さは、クラックより15-20cm程度の長めに取ります。
カットが終了すると、この部分を清掃し、窪んだコンクリート面シーリング材との接着を良くする為にとプライマーを塗布します。そしてここに、弾性シーリング材とその外側に弾性モルタルを詰めます。
シールの方法はいくつもありますが代表的なものを2つ挙げました。「補修の方法 その1」の方法が一番安価でよく行われているものです。「補修の方法 その2」が次に安価です。
| 上の図はクラックの補修の例です。正面図では補修の範囲=クラックの長さを延 長して「U型にカット」する範囲を示しています。断面図にはU型にカットする断面図 を示しました。
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クラックのU字型のカットが終えると、すぐに @クラックの内側にプライマーを塗ります。プライマーはその後に打つ弾性シーリングの接着性を高める役目を持っています。
A弾性シーリングを打ちます。
B弾性モルタルを塗ります。一例としてネオモルタルとここではしました。モルタルはペーパー掛けや、サンダーで磨いておきます。その後は、通常のコンクリートやモルタル面に吹付けや塗るのと同様の手順で補修部分をしあげます。補修部分の仕上がりと既存部分との色合いは、よく似た色を合せても合せきれません。
なお、ネオモルタルは数社から販売されていますが、今回では菊水化学の「ネオモル」シリーズを想定しています。
クラックのU字型のカットが終えると、すぐに @クラックの内側にプライマーを塗ります。プライマーはその後に打つ弾性シーリングの接着性を高める役目を持っています。
A弾性シーリングを打ちます。弾性シーリングが硬化する前に、珪砂で表面をまぶします。
B樹脂入り珪砂モルタル塗りを行います。その後ペーパーがけを行います。塗装は「補修の方法 その1」と同様です。
プライマーは「最初の」という意です。したがって「最初に塗る塗料」として、主に下塗り塗料を総称してプライマーと呼びます。プライマーの役目は下地と下地の上に塗るここでいえば弾性シーリングやモルタルとの接着性や馴染みを良くすることにあります。
プライマーと同じような使い方をされるものにシーラがあります。シーラとはシールするなどというように「密閉する」とか「覆い隠す」などという意味を持っています。シーラは建築では下塗りとして使用されることが多ことから、プライマーの一種と考えてよいでしょう。
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