| 住宅の外壁のモルタル塗り仕上も、最近はめっきり減ってきました。左官の不足や色々な風合いのタイプのあるサイディング材の普及によるのが原因のようです。単価は、モルタル塗りでも、サイディング張りでも殆ど変わりません。
| 住宅のモルタル塗りの外壁も、コンクリートの外壁と同様に、誘発目地を設けて極力クラックの発生を抑えるべきですが、現在でもそのような工事を行っているところはありません。そういう歴史がないからでしょうか。クラックが入りやすい建物の典型ですが、事前の対応ができている建物を見たことが殆どありません。 |
木造住宅の外壁をラスモルタル塗りで仕上て、その上からリシン吹き付け仕上げなどを行うのは、非常に多く見かけます。ここでもクラックは、発生します。最初は建物も新しく殆ど目に着かないのですが、経年で次第に目立つようになります。
クラックの発生位置は、鉄筋コンクリート造と同じです。ただ、木造建築ならではの発生位置があります。それが、柱位置になります。柱の中央に出る訳です。これは開口部の多い一階では、発生しにくいのですが、二階の開口部の上などでは、顕著に出ます。本来そこに、誘発目地を入れるべきなのでしょうがそういう家を殆ど見たことがありません。
従ってモルタルの外壁も、基本的にはコンクリートと同様の方法で、クラックの補修を行います。外壁のクラック幅が、2mm程度なら、弾性シーリング材の注入でも済むこともあります。また、目立たない部分の補修やお金をかけたくないという場合には、自分で行うことも可能でしょう。そういう方法を紹介したウェブサイトもかなりあります。
ただ、クラックの幅が大きかったり、高い場所にあったり、目立つ場所や範囲が広い場合には、一般人では手に負えません。専門業者に依頼し、補修後に再塗装を行うのが結局は安く納まりまる結果になることが少なくありません。
いずれにしても補修の痕は、塗装の色合わせが不可能で、残っていしまいます。残らないように注意して施工してもどうしても残ってしまいます。意匠的に粒子状の部分吹き付けなら、かなり隠すことが出来ますが、完全ではありません。
住宅のモルタル塗りの外壁は、ラスの上にモルタルの塗り厚さが20-25o程度のモルタルが塗られています。コンクリートの鉄筋の被り厚さに比べると薄いので、クラックの発生に対して、早めに対応することが大切です。早い対応を取れば、大掛かりな補修に至らずにすむこともあります。早期にクラックの発見をして、業者に頼むことなくDIYですませること、業者でなければ不可能なことなどを次にあげます。
クラックの幅が1o程度までであれば、市販の防水スプレーを塗布します。防水スプレーのでは、スプレー缶の無色のものを選びます。ここでは一例として「ニッペ 住宅用防水スプレー300ml」としました。これは吹き付け部に浸透して防水機能を発揮します。無色透明ですので、現状の仕上げを壊さない点が良いかと思います。また、特別な工事を行わないで済みます。
| ここでは一例として「ニッペ 住宅用防水スプレー300ml」としました。これは吹き付け部に浸透して防水機能を発揮します。無色透明ですので、現状の仕上げを壊さない点が良いかと思います。また、特別な工事を行わないで済みます。乾燥後に塗装を行うことも可能です。
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このページの冒頭でも述べたように、2oを超すクラックの幅がある場合は、前ページで紹介した鉄筋コンクリートの外壁の補修と同様の方法(補修方法 その2を参照下さい)で補修を行います。
手順 @サンダーでき裂に沿って、Vの字にやや幅広にモルタル外壁をカットします。カットの幅と深さは共に10o程度です。
Aカット部分にプライマーを塗ります。
B弾性ポリウレタンを塗ります。
C樹脂入り珪砂モルタルを塗ります。
D仕上げ塗装を行います。
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