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 W-Wallet クラック(ひび割れ)

 
1. クラックとは何か

2. クラックはどうして出
  る?

3. 有害なクラックとは

4. クラックの原因と形
  状@

5. クラックの原因と形
  状A

6. 危険なクラックの
  例1

7. 危険なクラックの
  例2

8. クラックの発生状況
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9. クラックの発生状況
  を調べる(目視以外)
  @

10. クラックの発生状
  況を調べる(目視以外)
  A

11. クラック発生に対処
   するニ方法

12. クラック発生に対処
   する方法 その1

13. クラック発生に対処
   する方法 その2-1

14. クラック発生に対処
   する方法 その2-2

15. クラック発生に対処
   する方法 その2-3

16. コンクリートのクラ
   ックの補修

17. モルタル外壁のク
   ラック補修

18. コンクリートのクラ
   ックに関する本の
   紹介

      
 6. 危険なクラックの例 1

 クラックの発生の例を見ていきましょう。クラックの発生の例には鉄筋コンクリート造を取り上げるのが最適です。鉄筋コンクリート造に於けるクラックの主因として曲げ破壊とせん断破壊があります。両者によるクラックは実際には下に個別に取り上げているクラックの図のように別々に発生するのではなく、同じ部材に同時に生じます。


 せん断破壊というのは一枚の紙を引き裂くように働く力です。せん断破壊は、予兆なしに突然起きる破壊で、とても恐ろしい破壊の仕方です。あってはならない壊れ方です。鉄筋の量を増やして突然の破壊が起きにくい状態にします。勿論、壊れないような配筋も行いますが、想定外の地震にあうこともあり、その場合出来るだけ瞬時には壊れにくくするしかありません。耐震を考える時、まずせん断破壊が問題にするのはこうした理由からです。


 曲げ破壊は柱や梁が撓I(たわ)むようにあるいは棒が次第に曲がる時の下の図のような破壊の仕方です。徐々に破壊しますので、その間に避難が可能です。せん断に比べて安全な壊れ方といえます。


 曲げ破壊をなくすることは出来ませんが、鉄筋量を増やして破壊を小さくしたり、完全な破壊までの時間を稼ぐことができます。






力のかかり方の解説
どのようにしたときの力
どういう力か
図説




引張りとは材の両端を持って引っ張り合った時の材の強さ。

引張り合う力。互いに綱引きの様に引張りあう力。


曲げとは、材を曲げようとした時の材の強さ。

曲げようとする力。材をへし折ろうとする力。片持ち梁以外の梁では梁下に生じる。


圧縮とは、引っ張りの逆で両端から押し合った時の材の強さ。

互いに押し合う力。引張り合うのと反対の力。



セン断とは、上下に引きちぎろうとした時の材の強さ。

引きちぎるような力。例えば電話帳を引きちぎるような。




 ■ 曲げ及びせん断応力によるクラックの出方の例

 下に曲げ応力によるもクラックの例とせん断応力によるクラックの出方の例を取り上げました。

曲げ応力によるクラック


 実験的にスラブのない梁を作り上から荷重を二点より荷重をかけると梁は下に撓みます。その状況は左の図の通りです。梁の下には梁に垂直にクラックが生じ、梁上部は圧縮により一部が壊れます。
 

 これは梁の下側には引張り力が働き、上部には圧縮力が働いていることは、建築構造力学を知らない人でも納得できるはずです。
曲げ破壊による梁下クラック。曲げ応力は、建造物の柱や梁(はり)を曲げようとする力です。梁断面積に対して鉄筋量の不足であることが主因です。



せん断応力によるクラック 1.
 
 
 

 せん断破壊は、曲げ破壊と異なり、部材が破壊するまであまり変形しないで、急激に耐力を失います。

 このためその時の予測が難しく非常に危険な破壊です。対応としては、じん性(ねばり)が期待できる曲げ破壊を先行させるように、断面寸法やせん断補強筋を設計する必要があります。

赤い線がせん断破壊の特徴であるクラックです。梁の中央部に行くほどハの字型から垂直方向になります。

 せん断力を受けるRC部材(一般)RC部材がせん断力の作用を受けると、斜めひび割れが発生します。その結果、圧縮力をコンクリートで、引張力を鉄筋で受け持たせるというRCの基本的な機構が損なわれ、破壊に至るります。このような破壊を一般にせん断破壊と呼んでおり、斜めひび割れの発生がせん断破壊の特徴です。

 せん断破壊のおそれがあるRC部材には、次のようなものがあります。
@はり・柱のような細長い部材(棒部材)
Aスラブや壁などのような面状の部材(面部材)
B特殊な考慮が必要な箇所や部材(打継面、ディープビームなど)



せん断応力によるクラック 2.
 

画像:1


画像:2

 画像:1は柱に出来るせん断破壊のクラックです。画像:2は1968年5月に起こった十勝沖地震により鉄筋コンクリートの校舎がの柱の破壊された部分です。柱の根本ではなく、柱の中央部がエックスの形にクラックができ、そこが潰れるような壊れ方で、曲げ破壊ではなく、せん断破壊でした。画像:2では実際に柱のコンクリートが破壊して剥落しています。


 柱の上と下が壁によって強固に固定されていて、柱の中央辺りに応力が集中してX型にクラックが発生しました。設計荷重を超える地震力を受けた場合、柱付きの壁がなくても水平力によって、画像:1のようなせん断クラックが生じます。


 対策は帯筋(フープ筋)の不足であることから、既存の建物では、耐震補強を行う必要があります。例えば、炭素繊維や鉄板を柱に巻いたり、使い勝手や外観が悪くなりますがブレースなどを入れることが考えられます。


画像出典:画像2は日本建築学会







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