| クラックは目に見えない地盤の沈下によっても発生します。建物が全体として同じだけ沈下する場合は、その沈下の量にも拠りますが、それが小さい場合は問題ありません。
しかし、クラックの生じるのは不同沈下の場合です。矢印の方向に片側だけが沈む不同沈下の場合こうしたクラックが窓を中心に斜めに発生します。発生するクラックは下の図のように開口部などを中心に、沈下方向に対してほぼ45度の方向に出ます。下の図の赤い線がそれです。
例1は、片方の地盤が沈下するケースは主斜面や段差のある敷地などの埋立ての量が大きくなる部分です。斜面などでは、造成による段差のある擁壁などが付近の地盤が沈下量が多くなります。下の図では地盤の沈下が記載されていませんが、建物と同じだけ沈下します。その場合、建物の周囲が盛り上がったり、擁壁の破壊をもたらすこともあります。
こういう場所では、基礎の下に杭などを打ち、安定した地盤位置まで達せしめて、たとえ地盤が沈下しても、建物には及ばないようにします。
| 地盤片側の不同沈下による窓クラックの 例1
建物の一方の端が図のような盛り戸である場合に起きる建物と地盤の沈下による、クラックの例です。この図では、理解しやすいように、建物の沈下の量が極端に大きく書いています。
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下の図の例2は、建物の中央部あたりの地盤が、何らかの理由で沈下しケースです。建物が中央で折れるようなイメージです。わかりやすいように建物の中央部あたりの沈下を例にしていますが、中央部あたりに生じるとは限りません。どの位置にでもあり得ます。赤い線が、クラックが生じる位置で、沈下方向の対してほぼ45度の角度で、開口部などを中心に発生します。
しかし、建物が建ってしまってからは、その原因を突き止めることは殆ど不可能です。何らかの原因で地盤が失われたり、沈下したりして地耐力が大きく損なわれていると考えられます。また、出来てしまったクラックに実害が広がらないように、補修を行うしか手はありません。
| 建物中央部付近の地盤の不同沈下による窓クラックの 例2
この図も理解しやすいように、建物の沈下量を極端に大きく書いています。
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