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 W-Wallet クラック(ひび割れ)

 
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4. クラックの原因と形
  状@

5. クラックの原因と形
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  @

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  A

11. クラック発生に対処
   するニ方法

12. クラック発生に対処
   する方法 その1

13. クラック発生に対処
   する方法 その2-1

14. クラック発生に対処
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15. クラック発生に対処
   する方法 その2-3

16. コンクリートのクラ
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18. コンクリートのクラ
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 13. クラックの発生に対処する方法 その2-1

 外壁のクラックの発生に対処する方法のうちの二つ目の1番目です。

このページでは『A クラックが発生しても、障害に至らないようにする』→『クラックを集中発生させる概略を解説していきます。



 外壁は周囲に柱と梁およびスラブと囲まれています。このような壁には、誘発目地、リブなどを設けて1つの壁が25u以内になるように分割をします。特に大きな壁のみで囲まれたような倉庫では、これを確実に実行するようにします。


 前ページでも少し触れていますが、

誘発目地(ゆうはつめじ)とは、自然に思わぬところに出来てしまうクラックを無くするために、計画的に目地を設けてそこに誘導してクラックを発生させる目的の目地のことです。この場合、特に注意しなければならないのは、目地が浅いものである場合には、成功しないということです。そのためには、深さは特に注意が必要です。乱暴な言い方をすれば、鉄筋のある深さまで、目地を入れるということです。


 ただ、目地を入れる場合目地棒を型枠に打ち付けてコンクリートの型枠を外した後に、あるいは同時にそれを取り除くのですが、これが深いと取り切れない可能性もありますので、この辺も施工業者とよく打合せを行う必要があります。

この時の配筋については今後に譲ります。


 倉庫などの壁面が大きな特殊なケースではなく、一般的な建物での外壁のクラックの誘発目地については、次の各項目に合致するようにします。


 下記の表は、自然に出来てしまうクラックを計画的に設けた誘発目地に取り込んでしまう方法を箇条書きにしたものです。つまりクラックを集中発生させる方法です。


壁のクラックの発生に対処する方法 その2-1
@

縦目地の位置は、開口部の位置と一致させる。また、構造スリットの位置とも一致させる。(参照ページ)

A

1階の腰壁は、地中部分の構造部材による拘束力が強いので、ひび割れ間隔が小さくなる。したがって誘発目地は1m前後のピッチで入れる。腰壁とは、例えば、外壁がALC板で葺くときの腰部分の立上り壁などや擁壁のこと。

B

縦目地の深さは、通常ではフカシを含めて壁厚さの15%とする。特に効果を期待する場合は20%とする。特に効果を期待する場合は20%とする。

C

縦目地は、配筋上外側のみで、所定の深さが取れない場合や壁厚さが厚い場合(20cm以上)、あるいは、外壁の内部側が打ち放し仕上げの場合は、原則として内部側にも同位置に目地を設ける。内外で合計の目地深さは、内外合計で壁厚さの有効な断面欠損率以上は取ること。

D

縦目地の間隔は、建物の規模、壁の大きさと厚さ、鉄筋量などから条件を決める必要があるが、3m以内が望ましい。また、床から梁下までの開口は縦目地とみなす。(目地があるのと同じ)

E

横目地の位置は、各階コンクリートの水平打ち継ぎ目時に設ける。

F

現しの誘発目地の形状は、シーリング用の孫目地のないものとする。また、孫目地にあっては、目地底の肩幅の小さいものとする。

G

鉄筋の被り厚さは、一般の外壁コンクリート面から50o以上とする。ただし、耐力上の有効な仕上げがある場合は、40oでも可能。


 コンクリートを打設し、型枠と目地棒を取り除いた後に出来た目地には、シーリングを行い雨水の侵入を防がねばなりません。これをおろそかにすると、雨水の侵入で鉄筋の腐食を招き、構造上の大きな欠陥となることに繋がります。これでは、誘発目地の目的が本末転倒ということになってしまいます。

 誘発目地のシーリングについては、別の機会を取らえて解説したいと考えております。







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