| 上りやすい階段とはどんなものでしょうか 様々な解があるでしょうが、私の知っているものを書いておきます。
■その1.
「互い違い階段(たがいちがいかいだん)」があります。一般に聞きなれませんし、知られていません。 一つの階段が中央部で半分ずつ踏み段がずれて付いている階段です。私は使ったことはないので感想はありませんが、非常に使い勝手が良いそうです。しかし、右脚が利き足の人は使いにくいのかも知れません。また、今は健常で快適でも、老たりどちらかの足に障害があれば、却って使いづらいはずです。使用できる場所が限られると思います。 本当に良い階段であれば、もっと広まる筈だと思うのです。
■その2.
登りやすい階段という意味で便宜上使用している簡単な計算式。
蹴上げ高さ×2+踏面巾 = 61〜65という数字になることのようです。
例1:蹴上20cm、踏面20cmだとすると60になります。 この計算式によるなら最低限の61にするためには、蹴上をそのままの20cmなら、踏面を21cmとすれば良いことになります。
例2:蹴上15cm、踏面26cmだとすると56になります。61になるためには踏面が31cmになる必要があります。
例1の方が健常者の成人にとって登りやすい階段ということになります。しかし、61〜65になるなら蹴上の高さが25で踏面が11cmでも61になります。その階段は果たして登りやすいでしょうか? 結局、誰が使う階段なのかが問題です。 小学校の階段なのか、大人しか使わない会社のものなのか、老人子供も健常の大人も同時に使うものなのかにもよって取るべき寸法も違って来ます。そこに基準法施行令第23条が出てくるわけです。
■その3.
私は、こうした式を使わない代わりに、階段の上り角度で判断しています。登りやすさとは蹴上と踏面のバランスの取れた角度であると考えるからです。
@ | 建築基準法上の住宅の階段の最低は取らなくてはならない寸法は、踏面15cm蹴上23cmの階段です。57度という相当な急角度を上ることになります。 | A | 私は階段の一つの目安として、蹴上と踏面を共に20cmとする、角度にして45 度を一つの目安として考えています。これかもう少し角度が小さく41-42度が成人の健常者が使用する階段として上り安い数値であろうと考えます。 | B | 上りやすい階段としての限界は、この程度でしょう。踏面の24cmをもう少し広くした方がよいかも知れません。例えば30cmくらい。角度はさらに小さくなり、健康な大人では、上るのにもどかしい気がするかもしれません。大きな公共の広場の階段などではこの程度でしょう。 |
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