| イスカは漢字では交喙と書きます。喙はくちばしのことです。交差するくちばしの意味の実は鳥の名です。嘴(くちばし)は、下図のように普通の鳥のように上下がぴったり合わさっていません。しかし、松やモミの実を食べるのには便利なのだそうです。アトリ科の鳥で全長18センチくらいで、全体に雄は暗紅色、雌は黄緑色をしとても美しい。ユーラシアと北アメリカに分布しています。日本には冬に渡ってきます。日本で繁殖することもあります。
そのイスカの嘴のように「物事がくいちがって思うようにならない」ことのたとえとしても使われます。
建築においては遣り方(基礎工事に取りかかる前に柱や壁の中心及び基準となる水平線を表示するために設ける仮設物)を行うときの杭(水杭)の頂部にもイスカ切りを施し、設置後に杭が上下していないかを目視するために行います。このような形(イスカ切りに、杭の頭を切っておくと、杭の頭を間違って叩いたり、物を当てたり、杭を動かしたりしても直ぐに判るからです。(図右下)
イスカ継ぎ 木材の継ぎ手の一つで、一方は下端から斜め上に、他方は上端から斜め下に食い違わせて継ぐものです。天井の野縁(のぶち)・破風などに用います。(下図右上)
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| イスカは美しい鳥ですが、そのその特異な嘴(くちばし)が最大の特長です。
| 上:イスカ継ぎと呼ばれる木材の継ぎ方法。
下:遣り方の杭の頭をイスカ切りにしています。いすかに切るなどといいます。 |
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