| 狸(たぬき)の棲家(すみか)は迷路のように入りくんだ土の中に設けています。地面下ではなく、土手のような勾配のある土中です。迷路のようにしたのは、勿論、敵からの奇襲に対応するためで、敵と積極的に戦うという様な性格の生き物ではありません。
話に出る「狸に騙された」という話は全くの濡れ衣で、猟銃の音でも腰を抜かすほどの臆病ものです。 さて、狸堀りは日本の金山や銀山の採掘で、出来た掘り形状(下図)を狸の棲家に喩えたものです。採掘に計画性があるわけではなく、有望そうな層を掘り進んでいくうちに自然と出来たもので、まるで迷路のように入り組んでいます。
下図は筆者が、兵庫県の生野銀山を見学した時に、生野銀山の歴史を紹介する館の中に狸彫りの模型があり、それを模写したものです。背を伸ばすことすらままならない、過酷な作業であったことが忍ばれます。
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| 上図:狸(タヌキ) | 下図:兵庫県生野銀山の狸堀の模型の一部を模写。 |
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