| 獅子垣窓(ししがきまど)は、窓の形式のひとつで、床の間の床脇の下部の吹き抜きに、竹を破れ格子に組み入れた窓のことです。
床の間の袖壁(そでかべ)に壁止(かべどめ)の横竹を入れ方立(ほうだて)を立てて下部を吹き抜けにし、その吹き抜けの中央に晒竹を通し、その左右に長短の晒竹を立て、横桟を貫(ぬき)がわりに入れます。
これには、裏千家の伝宗旦好み八畳本勝手向切下座床「寒雲亭」(かんうんてい)があります。
獅子とは猪(いのしし)でも鹿(しか)でも百獣のライオンの獅子でもなく、中国の古来の空想上の生き物のことです。しかし、ライオンがモデルとなってはいるようです。私達の一番身近なものでは「獅子舞(ししまい)」でしょうか。
どうして、この床の間の一趣向を獅子垣窓というのかについては、魔除けの意味合いがあります。その置物を置かなくても、垣(かき)の向こうに獅子がいてくれるという趣向があるのでしょうか。
| | 狩野永徳作 「唐獅子図屏風」を模 写してみました。残念がら遠く及びま せん。 | 獅子垣窓の一例です。他にもいろいろなタイプはありますが、竹垣が破れているという点ではどのタイプも同じです。破れているからこそ、趣があるといえます。 |
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