| 14. タイル手貼り工法 貼り付けモルタルをタイルと下地の両方に塗る工法 及び下地にのみ塗る工法 |
このページでは、タイル貼りの一つの工法として、貼り付けモルタルを下地とタイルの両方につけての貼り方と、下地のみに貼りつけモルタルをつける方法の二つを紹介します。この方法の一つ目は「改良圧着貼り工法」で、今一つは「密着貼り工法(ビブラート工法)」です。
改良圧着貼り工法は、圧着貼りの欠点である塗り置き時間の問題を解消するために考案された方法で、主に外装タイルに適用されます。タイル側にも薄く張り付けモルタルを塗り、直ちに下地面にも貼り付けます。
改良圧着貼りの長所と短所 | 長 所 | @ | バラツキの小さい良好な接着強さが得られる。この工法での剥離は例がない。 | A | 白華の発生は見られない。 | 短 所 | @ | 貼り付けモルタル厚は、3oと薄く、下地精度が仕上がり精度となるために、良い下地精度を確保する必要がある。 |
施工のポイント | @ | タイルは外装タイル小口平〜四丁掛とし、裏足1.5o以上の「蟻足」とします。 | A | モルタルはC/S=1/1〜1/2とします。 | B | 混和材は保水用混和材ですが、直貼りにおいては合成高分子エマルジョンを加えます。 | C | 下地側に貼り付けモルタルを塗り、短時間でタイル貼りをするとずれが生じる場合があります。ある程度締まったのちにタイルを貼り付けることが重要です。 | D | 下地側の貼り付けモルタルの塗り置き時間は2時間程度までとします。 |
主に、外装タイルに適用します。圧着貼りと同様、平坦な下地に貼り付けモルタルを塗りつけますが、専用の衝撃工具(ビブラート)を用いてタイルをモルタルの中に埋め込むように貼り付けます。目地部に盛り上がったモルタルを目地コテで押さえて仕上がりとします。
密着貼り(ビブラート工法)の長所と短所 | 長 所 | @ | 圧着貼りで問題となった塗り置き時間の影響が小さい。 | A | 目地同時仕上げが可能なので、塗り目地できないタイルも施工 できる。 | B | 圧着貼りにおけるトンカチの柄の代わりに衝撃工具を使用する ため、取り組みやすい。 | C | 貼り付け能率がよい。 | D | タイルの割れが少ない。 | 短 所 | @ | 塗り置き時間の影響は少なくなったとはいえ、依然として必要。 | A | 深目地となりやすい。 | B | 下地の振動によって、動くような場合は、タイルのずれが生じやすい。 |
施工のポイント | @ | 対象タイルは外装タイルとし、形状は小口平から四丁掛程度までとします。裏足は1.5o以上の蟻足とします。 | A | 対象タイルは外装タイルとし、形状は小口平から四丁掛程度までとします。裏足は1.5o以上の蟻足とします。 | B | 貼り付けモルタルがタイル面まで盛り上がるように押さえ込みます。 | C | 表面が下地なりに仕上がるように十分に埋め込むことで、タイルのズレは少なくなります。 | D | 目地深さはタイル表面からタイル厚さの1/2以内として下さい。所定の目地深さを確保できない場合は、後目地施工して下さい。 |
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