| 9. タイルの施工法の比較 手貼り工法と先付け工法 |
タイル貼りを行う時の、検討すべき施工法の比較です。手貼りで躯体に貼り付けて張る方法が今でも主流です。しかし、高層の建物では、困難ではないにしても手貼りには手間暇が掛かります。そこで、先付け工法を用いることが検討されます。
高層オフィースビルの外壁などには、PC板を貼り付けて構成することが一般的に行われています。これは一つの大きな壁を工場で生産し、建設現場に運び込んで上下の出来上がっている躯体に止めていく方法です。このPC板を製作する時に、タイルも一緒に割り付けて一体成型して置けば、後から手貼りする必要はなくなる訳です。
これと似た方法が、型枠先付工法です。これは、型枠にタイルを取り付けコンクリート打設後に型枠を外すと、タイルも貼りあがっているというものです。
それでは、下記に上に書いた工法の得失、長短、コストなどをあげましたので、参考にしてください。
手張り工法の比較 | 項目 \ 工法 | 適用 タイル | タイル形状他 | コスト仕上がり 設計上の制約 | 注意点 | 外装 | 内装 | 接着性能 | 作業効率 | 仕上がり | タイル張りコスト | 手 張 貼 り 工 法 | 積上げ貼り | | ○ | 内装タイル100角以上 | ○ | × | ◎ | × | 砂の粒度.泥分 | 改良積上げ貼り | ○ | | 小口平〜4丁掛 | ○ | △ | ◎ | △ | | マスク工法 (モザイクタイル) | ○ | | 50角.50二丁 | ○ | △〜○ | △ | △ | | マスク工法 (内装タイル) | | ○ | 内装ユニットタイル | ○ | △〜○ | △ | △ | 下地精度 | 改良圧着貼り | ○ | | 小口平〜4丁掛 | ◎ | △ | ○ | △ | 下地精度 | モザイクタイル貼 り | ○ | | モザイクタイル | △ | ◎ | ○ | ◎ | | 圧着貼り | ○ | | 内装パラ.ユニット小口平〜二丁掛 | △ | ◎ | ○ | ◎ | オープンタイム | 密着貼り | ○ | | 小口平〜二丁掛 | ○ | ○ | ○ | ○ | オープンタイム | 接着剤貼り | | ○ | 内装タイル(パラ.ユニット) | ○ | ◎ | ○ | ◎ | オープンタイム使用箇所と接着剤の種類 | 直貼り | ○ | | 小口平〜4丁掛 | ○ | ○ | △ | △〜◎ | コンクリート面への処理 |
凡例 ◎:優秀 ○:優れている △:普通 ×:劣っている
先付け工法の比較 | 項目 \ 工法 | 適用タイル | コスト仕上がり設計上の制約 | 注意点 | 接着性能 | 作業効率 | 仕上がり | 型 枠 先 付 け 工 法 | タイルシート 法 | モザイクタイル 小口平〜四丁掛 | ○ | ◎ | △ | 型枠精度に仕上がり依存。 | 目地ます法 | 小口平〜四丁掛 | ○ | ○ | ○ | 型枠の転用5回以上の事。階高.スパンが一定であること。 | 桟木法 | 大形タイル (四丁掛以上) | ○ | ○ | △ | 型枠の転用5回以上。部リックの場合、豆板発生の発見がむづかしい。打設に。 | PC 板 先 付 け 工 法 | タイルシート 法 | モザイクタイル 小口平〜二丁掛 | ◎ | ◎ | △ | ー | タイル単体 法 | 小口平以上 | ◎ | ○ | ○ | ー |
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